【製造業の方必見！】データ活用による人材不足の克服事例3選

こんにちは！エクスマートの山田です。
「人手が足りない」という課題は多くの中小企業にとってつきものでしょう。

特に製造業では少子高齢化による労働人口の減少にくわえて、技術を必要とする仕事における技術の継承がうまくいかず、より人材不足が深刻な一面があります。

今回はそんな製造業において、生産活動におけるデータを活用することで、生産性の向上や省力化を実現し人材不足を克服した事例をご紹介します。

目次

1. データ活用により職人の色使いを実現！－株式会社内田染工場
2. バラバラだった現場をデータ活用で一括管理！－株式会社ワイエムキャスト
3. 個人に頼った仕事のやり方をデータ活用で変革！－株式会社今野製作所

1909年に創立した株式会社内田染工場は多種多様な衣類の製品染めを行っている企業です。昔は職人の判断や技術によって色染めの対応をしていましたが、人によって色味の違いが出てきてしまう課題がありました。

そこで、コンピューターがサンプルを基に色を分析し、それを再現するための染料を自動選出するCCM（コンピューター・カラー・マッチングシステム）を導入しました。

導入当初、CCMにはデータが入っていない状態だったため、まずは職人と協力してデータを入力するところからスタートしました。生地や染料の組み合わせごとにCCMにデータを読み込ませ、蓄積し、データベースを構築しました。

データベースの構築には半年以上かかりました。ただそれにより、顧客向けに本番用の色見本として見せるためのビーカー染めという工程を、従来では1～2週間かかっていたものが、1日で完了させることができるようになりました。

CCMの導入により職人の技術に頼らずとも、染色品質を保つことができ、なおかつ作業時間を大きく効率化することができるようになりました。

参照
東京商工会議所『スマートものづくり　導入企業事例』
NTTデータエンジニアリングシステムズ『人とシステム―老舗の染色工場がDXで産み出す新しいメイドインジャパンの魅力』

株式会社ワイエムキャストではアルミ、亜鉛などのダイカスト部品の大量生産を行っています。しかし、その生産管理はそれぞれの現場にゆだねられていたため、生産性にばらつきがありました。また、作業日報は手作業で作成されていたため、その内容は正確性にかけており、現場の実際の作業状況が把握できず、生産性を上げようにも原因が明確にわからない状態でした。

そこで工場の設備とコンピューターを接続することで、生産情報や稼働状況をリアルタイムで把握できるようにしました。それにより作業者によってどれほど生産状況にばらつきがあるか数値化できるようになり、生産性の向上に役立てることができました。

この取り組みにより生産性を従来よりも最大30％向上させることに成功しました。さらに現場の状況が可視化されたことで、従業員の数値への意識も変わり、現場の改善意識が大きく向上しました。

現場のデータ収集ができるようになったことで、現場の一括管理や生産性の向上にくわえて、現場で働く人の意識も改善することができました。

参照
埼玉県産業振興公社『導入事例から学ぶIoT活用策』

油圧機器製造や板金加工をメイン事業とする株式会社今野製作所では、代表取締役の今野浩好氏を中心に2000年ごろからIT化を進めてきました。そんな中、2008年のリーマンショックをきっかけに、標準的な製品の製造から、顧客の要望に柔軟に対応した特注品の製造に切り替えました。それにより受注数は回復しましたが、また別の問題が発生しました。

当時、営業担当の若返りに取り組んでいた影響もあり、営業が必要な仕様の聞き漏らしや、仕様変更などの伝達ミスから作業のやり直しが多発してしまいました。そこで、営業担当と設計担当の連携を改善すべく、「業務プロセスの見える化」に取り組みました。

それまでに人に依存していた業務を見直すために、問合せから受注までの情報管理や技術提案仕様書の管理を目的として、業務改善プラットフォームのキントーンを導入しました。これにより業務の流れや進捗状況を可視化・共有することに成功し、営業担当と設計担当の連携が強化され、確実な情報伝達が実現しました。

業務プロセスの見える化を通じて、業務の属人化を克服し、人為的ミスの削減に成功しました。

参照
docomo business『ICT Business Online－中小企業こそDXに向く。町工場・今野製作所の挑戦』

いかがでしたでしょうか。今回ご紹介した内容をもとに、製造業におけるデータ活用について検討してみてはいかがでしょうか。

このブログでは皆さんにITに関して知ってもらうため、様々なITに関するトピックを紹介しています。今後もいろいろな記事をあげていきますので、ぜひご覧ください！