こんにちは!エクスマートの山田です。
企業の経営者様や管理職の方は、社員の育成に日々取り組まれているかと思います。
特に新しい技術やビジネスモデルを取り入れようとする企業では、それに対応する人材の育成・確保に悩まれているでしょう。
最近ではDX化がいろいろな企業で進められたり、コロナ禍で働く環境が大きく変わったりと、社会全体が大きく変わろうとしています。
今回はそのような中で新しく生まれた人材育成の考え方『リスキリング』について紹介します。
目次
1.リスキリングとは?
2.リスキリングの実例
①デジタル技術による業務効率化で倒産寸前から復活!(株式会社陣屋)
②経営破綻寸前からDX化により飛躍的な業績回復へ(株式会社IBUKI)
1.リスキリングとは?
リスキリングとは、新しい分野や職務に対応するために必要な知識・スキルを身につけることを指します。
特にIT活用やDX化に対応できるような人材の育成を指すことが多いです。
社員個人のキャリアアップを含むこともありますが、企業の重要な経営戦略の1つとして取り扱われることもあります。
例えば
・ITシステムを導入したものの、IT活用に馴染みやすい世代と、アナログな働き方を続けてきた世代の間で、浸透具合に差が生まれてしまう。
・それまで実店舗が主体だったが、コロナの影響で売上回復・向上のためにネット販売をはじめるなど、ビジネスモデルを転換する必要がある。
といったように、時代の流れに合わせて企業が主体となり、対応できる人材を育成する重要性が高まっています。
「企業の経営戦略として」というと大げさだな、中小企業には縁がないのでは、と思うかもしれません。しかし、人口減少で労働力は減少し、一人ひとりのスキルアップが求められる時代となっています。
人材が限られている中小企業だからこそ、リスキリングでそれぞれの社員がデジタル技術などを身につけ、時代の変化に柔軟に対応できるようになることが重要です。
2.リスキリングの実例
ここでは、元々ITに馴染みのなかった老舗企業や中小企業の実際のリスキリングの実例を紹介します。
①デジタル技術による業務効率化で倒産寸前から復活!(株式会社陣屋)
株式会社陣屋では大正時代からつづく老舗旅館「陣屋」を運営しています。
しかし、現在のオーナーである宮﨑富夫さんが引き継いだ当時、旅館は倒産寸前でした。
その原因の一つとして大正時代から変わらない従業員のアナログな働き方がありました。
アナログな働き方により宿泊客の管理がうまくいかなかったり、従業員同士でノウハウが共有されなかったりという状態になっていたのです。
そこで宮﨑富夫さんは、宿泊客の管理や従業員の勤怠管理などを紙からデジタルに移行し、情報共有を進めるとともに業務の無駄を減らそうとしました。
当時、ほぼすべての従業員がアナログな働き方に馴染み深かったため、デジタルツールは実際の業務の中で少しずつ慣れてもらうように、丁寧に指導しました。また、強制的に紙の仕様を禁止し、デジタルへの移行を徹底しました。
この従業員の育成を通じて、業務効率化を実現しサービスの質を向上させることができました。顧客満足度の向上にともない、リピート率や集客力も上がり業績の大きな改善につながりました。
参考:リクルートワークス研究所-株式会社陣屋:倒産寸前の老舗旅館 データを使いこなす接客人材を育てた経営者と女将の取り組みとは
②経営破綻寸前からDX化により飛躍的な業績回復へ(株式会社IBUKI)
山形県で金型やプラスチック成形品の製造を行っている株式会社IBUKIは、2008年のリーマンショックで大きくダメージを受け、経営破綻寸前まで追い込まれてしまいました。
そこで限られた資源を有効活用するため、工場をはじめ社内全体の業務効率化を進めるためにデジタル化をはじめました。まずは従業員がデジタル技術に慣れてもらうよう、勤怠管理や在庫管理のシステムの導入からはじめました。
そして従業員にデジタル化によって「業務が楽になる」ことを実感してもらった上で、見積支援システムやAIの導入により、経験が必要な高度な業務も効率化を進めることで、企業のDX化を大きく進めました。
それにより残業代の減少や余分な在庫を減らすといったコストの削減や、製品の質の向上を通じて、大きく業績を回復させることができました。
さらに自社のシステムを同じような悩みを抱えている製造業の企業にも提供することで、新たな事業を展開しつつ、業界にも大きく貢献しています。
いかがでしたでしょうか。今回ご紹介した内容をもとに、あなたの会社でもリスキリングを検討してみてはいかがでしょうか。
このブログでは皆さんにITに関して知ってもらうため、様々なITに関するトピックを紹介しています。今後もいろいろな記事をあげていきますので、ぜひご覧ください!